D-Dayから70年、晩餐会 

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上のガーデンで採れたラディッシュ



イギリスに来て以来、観続けているテレビ番組があります。
「Great British Menu」
一年に一度、イギリスの8つの地域からそれぞれ3人の選りすぐりのシェフが来て
料理対決をします。
各地域で1人のシェフが選抜され、8人でファイナル決戦。
最後に選ばれたメニュー(前菜、魚、肉、デザート)は晩餐会でお披露目となります。




毎年の晩餐会にはテーマがあり、例えばある年は「エリザベス女王の誕生日」、
2012年は「オリンピック」、今年は「D-Day70周年記念」という感じです。
晩餐会にはその関係者が集まり、テーマに沿った雰囲気一色に包まれます。
なのでお料理が美味しいだけでは晩餐会メニューに選ばれず、
テーマに沿っていることも重要です。

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今年のテーマは「D-Day 70周年記念」(D-Dayとは作戦決行日を表す軍事用語)。
来月6月6日でノルマンディ上陸作戦から70周年を迎えます。
ノルマンディ上陸作戦とは、第二次世界大戦中にアメリカ・イギリス・フランス等の
連合軍がフランスのノルマンディへ上陸した史上最大規模の上陸作戦。
これを機に、ナチス・ドイツに占領されていた西ヨーロッパが解放されて
ドイツ軍敗戦の大きなきっかけとなりました。
この戦いを舞台にした映画「プライベートライアン」をご覧になった方は
上陸シーンで繰り広げられた壮絶さが衝撃的だったのではと思います。
私はあの恐ろしいリアルさがショックで、
まともに映画を観られなかったのを覚えています。。。



悲惨な歴史はここではさておき(苦笑)、晩餐会の趣旨は
その当時活躍した戦士達・先祖を祝うこと。
多くを犠牲にした戦争を忘れずに、戦った彼らに感謝し、
未来に希望を抱くようなお料理を作らねばなりません・・・
ただの料理対決ではなく、
こういう難しいテーマが入ってくるのがこの番組の面白いところ!
今週は地域決戦の最終地、ウェールズの放送が始まりましたが
各地域で勝ち残ったシェフ達はお料理も素晴らしいけど本当によく考えてる!!!




美味しい、楽しい、美しいだけでは料理は支持されず、
お皿に息づく想いが表現されていたり、それを支える材料の選択が的確であったり、
ウィットに富んでいたり、どこかに優しさや思いやりがあったり。。。
そんなお料理が出てくると、ジャッジが興奮しているのが手に取るように分かり、
食べもせずに観ているだけの私までも感動して涙すら出るのです。
(私ってマニアック?)
心を込めて作ったマクロビオティックのお料理もまさにそんな感じ。
食べる人の状態、季節、環境、時間、量、など色々なことを考慮し、
出来上がったお料理は美味しいという言葉を超えます。



今回の戦いで重要とされているところは、
●テーマに沿っているか
 例えば・・・
 ・魚類が貴重だった当時よく食べられていた魚「Megrim(ヒラメの仲間)」を使用
 ・当時の配給された食料からお料理を作る
 ・当時のスローガンだった「Dig for victory」(勝利の為に耕そう)にちなんで
  お皿の上に畑を再現
  (ヨーロパからの食料ルートが断たれ、食料不足により配給制度ができた。
   耕せる土地全て野菜や穀物の栽培に当てられ、国は自給自足を促進した。)
 ・チャーチルが大好きだった「葉巻」の形に似せたお料理
 ・プレゼンテーションに当時使っていたようなアルミの入れ物を使う
 ・砂糖が貴重だったので、野菜(パーシニップやビーツ)の甘みを
  デザートに使用
 

●あくまで洗練されたお料理
 ・昔のままのレシピでは×
 ・晩餐会に見合った見た目の華やかさ、美味しさも重要
 ・お祝いであってお悔やみではないので、悲しい雰囲気の料理は×
 ・モラキュラーガストロノミー(液体窒素を使って凍らせたり、
  白い粉を多用して食感を出したりする、科学的料理法)をやり過ぎると
  シンプルなものを好むイギリス人には不評
 

●自分の/家族の経験が生かされているか
 ・父、祖父、親戚などから戦争に行った経験の話しを聞き
  料理に生かす
 ・当時の手紙や物が残っていたらそれを見てインスピレーションを得る
 ・実際にノルマンディーに行ったり、当時食べていたものを食べたり、
  自分の足や舌で体験して料理に反映する
 ・「ブラックマーケット(闇市)では魚とウィスキーが交換されていた」等の
  教科書では学ばないような実体験の話しを生かす



という感じでしょうか。
自分の中に当時の歴史を落とし込み、思いを馳せ、気持ちを込め、
その表現がうまくお皿に表れていないとジャッジに見透かされます。
ジャッジがこれまた厳しい!!!でも的確。
毎年出てくる3人のジャッジにプラスαとして、今年は実際に
ノルマンディーの戦地に行った人々やチャーチルの孫、
戦争評論家などが加わります。

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ジャッジはただの美食家ではなく、シェフ・雑誌や新聞の料理批評家・実業家など
いくつもの顔を持つ人々。女王から勲章をもらった人います。
批評は実に鋭く、奥深く、正直で、私はこの番組で豊かな英語の表現を
たくさん学んでいます。



ウィンストン・チャーチルの葬儀が営まれたロンドンのセントポール大聖堂で
晩餐会は開かれます。その日まであとわずか!!!
今年の晩餐会メニューはどんなお料理が登場するのか?
今から楽しみです〜♪
日本語での放送はないのですが、
BBC2のサイトから過去の放送をいくつか観る事が出来ます。
またはYoutubeでもいくつか楽しめますよ〜!

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